1987年12月13日(日) アジャンタへ

〈アウランガバード Printravel Hotelにて〉

 

 ジャルガオンのバス・ステーションより、朝5時半発のバスでアジャンタへ。着くとまだ7時過ぎ。9時オープンまでまだ時間があった。日曜日とあってぞくぞくとバスが人を運んでくる。小学生くらいの子供の集団が多い。

 

 河原近くに座っていると、いつの間にか20人くらいの子供たちに囲まれている。そのうち子供の集団には必ずいる好奇心の強い少年が、何やら英語のカタコトで話しだす。そうすると必然的にみんなが僕を囲んでいろいろ話しかける。引率の先生らしき人もいる。

 

 そこで日本語の挨拶や数の講義。一度言うとかなり正確に反復してくれる。最後には10円玉を出して日本のコインの説明などする。そして、記念撮影ということになり、「写るんデス」の封を切る。曇り空でうまく撮れているかはおぼつかないが、みんなはしゃいでアングルに収まる。

 

開園前、広場にて
開園前、広場にて

 多くの行列と前後しながら、アジャンタ石窟の壁画や房をみて歩く。弓なりに曲がった河沿いの崖に30近くの石窟寺院が掘られている。ひとつの寺院の本尊である彫刻に触れてみると温かく、まるで体温を感じる。

 

 ここもインド人の日帰りの観光地らしく、一日たくさんの人で賑わっている。バス・スタンドにもどる途中きれいな絵葉書を買い、土産物屋の小父さんとグリーンストーンのネックレスをライターとボールペンで交換。別に欲しくはなかったが、ここに着いた時から「あとで、あとで」と熱心に商売しようとするので、まあいいでしょう。

 

 アジャンタからアウランガバードへのバスでは、3時間ほとんど眠ってしまう。バス・ステーションから少し歩きこのホテルへたどりつく。わりと快適なホテルでレストランもついている。今夜はゆっくり休み明日はエローラへ。そしてもう一泊してからボンベイへ向かうつもり。