1987年11月12日(木) ルンビニーにて

かつてのマヤーテンプルと沐浴池
かつてのマヤーテンプルと沐浴池

 ルンビニーは国境から西へ22キロ離れた小さな町。バススタンドにはバザールがあり、聖園まで歩いて10分ほど。近くに一軒のホテルと学校、そしてマーヤーデヴィー寺院と沐浴池、近くにチベット寺院が二つあるだけ。

 

 沐浴池には大きな菩提樹があり、枝にはたくさんのオームがいる。周りは広大な大地、そして地平線のかなたにはヒマラヤの白い峰々が陽に浮かび上がりかすかに見える。

 

 聞こえるのは鳥たちのさえずりだけ。日陰に休むとさわやかな風が心地よい。ただじっと耳を澄ませていると、あの池の方からはるかな時を越え、産声と喜びの歓声が聞こえてきそうだ。

 

現在の遺跡の上のマヤーテンプル
現在の遺跡の上のマヤーテンプル