1987年11月4日(水) ベナレス郊外サルナートへ

久美子ハウス
久美子ハウス

 Sarswati Lodgeというホテルを10時頃出て日本人女性の経営する「久美子ハウス」へ。ガンジス河のガ―ト沿いにある静かな場所である。ここの主人シャンティーさんの、最初の人を馬鹿にしたような高圧的な態度に反感を覚えるが、それも少々怖いもの知らずの日本の若者への愛情であろうと受け止める。

 

 同宿のメンバーは5人。今日入ったという人もなかなか変人であって、いろいろ教わることが多い。ここに何日居るか、まだ決めていないが、特に街の中を見て回るつもりはない。

 

 

釈尊初転法輪の聖地
釈尊初転法輪の聖地

 サルナートへ向かう前に1つの事が胸につかえてしまう。

 

 疑うということは罪であろうか

 疑うということは罪を生むのであろうか

 信じるということは善であろうか

 信じるということは善を生むのであろうか

 人を信じるということは難しい

 だまされたという想念が頭をめぐる

 そのことは私を不幸にする

 

 己は疑うことをしてはいけない

 己は信じることをしてはいけない

 真実は大いなる存在のみが知っている

 己はただ己の心に従うべし

 

 慈善家の彼は僕の与えた50Rs.をどう使うかは、もはや僕の問題ではない。

 ただそれだけであり、それがすべてである。

 

 世の中には多数の偽善者と、ひとにぎりの善者がいる。

 それはそのまま自分の心の中に於いても同じである。

 大いなる善なる心があれば、それを見ることが出来るであろう。

 

 サルナートではストーパを手帳にスケッチし、博物館を見学する。そして寺院ではお経の一節を声に出して読み、南無妙法蓮華経とお題目を唱えた。そうすることが自然に思えた。

 

 

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