十四日 異体同心(いたいどうしん)

異体同心事にいわく

 異体同心ならば万事(ばんじ)を成(じょう)じ、

 

 同体異心なれば諸事叶(しょじかの)う事なしと申す事は、

 

 外典三千余巻(げでんさんぜんよかん)に定まりて候(そうろう)。

 

 殷(いん)の紂王(ちゅうおう)は七十万騎(しちじゅうまんき)なれども、

 

 同体異心なればいくさにまけぬ。

 

 周の武王(ぶおう)は八百人なれども、異体同心なればかちぬ。

 

 一人(いちにん)の心なれども二つ心あれば、其の心たがいて成(じょう)ずる事なし。

 

 百人千人なれども、一つ心なれば必ず事を成(じょう)ず。

 

(1 53歳 2 文永11年 3 身延 4 829頁)

身延山久遠寺大本堂にて
身延山久遠寺大本堂にて