1988年1月11日(月) コナーラク3日目

 昨晩は日本の知人にインドからの絵はがきを4枚ほど書き、いつもより遅く11時を過ぎて床に入る。少し目が冴えている状態で帰ってからの事など考えたりする。仏教関係の出版社に勤めて仕事をし、給料をもらって大学の聴講に通うという事も出来るかな…などと考えたりする。まあ、自分次第でやりたいことは何でも出来るわけだから、それは日本に帰ってから相談させてもらおう。

 

 朝は6時に外に出て朝日を迎える。まだ町は静かで眠っている様子。一度部屋にもどり横になる。朝食は外にあるこのホテルのレストランでトーストとオムレツとチャーイでゆっくりとる。丁度新聞も置いてあったのでめくったりする。

 

 それからハガキを出しに郵便局を捜しに歩くが、少し入ったところにあるため分からない。人に聞いてはその前を行きすぎたり戻ったり。最後にバザーの先でロッジをやっている人に前まで連れて行ってもらう。20ルピーで部屋もきれいだから良かったら来いと言ってくれるが、あまり移ろうという気も起らない。4枚の絵はがきを出す。1月20日までに届くのは少々難しい気もするが、なんとか着きますように。

 

 チャーイを飲んでからバス・スタンドの方の裏口からスーリヤ寺院の方へ行き、このあいだ決めておいた場所に座ってしばし眺める。目の前にかなりのスケールで迫って来る。小さなノートの中にうまく収まるか自信はない。いつもより慎重に、最初に赤のボールペンでうすく下絵をかく。少し画いては眺めまた画く。

 

 この段階で「これは大変だな」などと思うがその度「時間は充分あるのだから」と自分に言い聞かせる。今までに得た経験を生かしながら、なんとか完成するのに4時間ほどかかる。しかし、描き終わったとき大きな満足感を得ることができた。手帳に書いたサルナートのダメ―ク・ストーパから始まり、今だからこの太陽寺院を描くことが出来たのだと思う。

 

太陽寺院スケッチ
太陽寺院スケッチ