光徳石大明神(どびん岩)参拝 平成25年11月25日(月)

どびん岩様
どびん岩様

河内の峠に土瓶石さんという、小さな祠があってな。こんな話が伝えられとるんじゃ。

 昔々、河内の峠は旅人の往来で、ひねもす賑わいがあったそうな。ところが、この峠でなあ、山の暮れる頃、なんでも旅のお侍が、病で急に苦しみだしたんじゃ。「ウーン苦しい。持病の脱腸が又痛み出したわい。」

一日中歩いたつかれか、お侍は草の上に寝転んだ。額に油汗がにじみ、それは苦しんで、西の空を見上げて、無念の死をとげなさったそうな。なんでもお侍は石州藩士らしいという。その無念の霊魂が、村の一人住まいの老婆の夢枕にたたれたそうじゃと。

 

「これ!お婆さん、わしの霊を弔うてくれぬか。そうしたら、下の病で苦しむ人達を必ず楽にしてなおしてやるぞ。」

 お婆さんは、びっくりして、あくる日、お侍の死をていねいに弔うたげな。

 それから、丸い石を積み上げ、四季の草花を飾り、それはだいじに祭ったそうな。

 そんな話が、村中にひろまり、ありがたいおかげに、村の者たちは、ますます信仰をしたそうじゃ。

 今でも河内の土瓶石さん言うて、お参りの人がたえんそうな。

 ありがたいおかげがあるそうじゃ。

 

 石見地方の民話で、どびん岩さん(光徳石大明神)の縁起にまつわる話に出合いましたので紹介させて頂きました。

 

朝からの雨も去り、今年も元気にお参りしました