1987年11月3日(火) ベナレスへ

 午後4時30分にホテルを出てハルドワール駅へ。ホームで2時間ほど待つ。駅では公務員と思しきおじさんと、インドについて、日本について、経済・家庭・鉄道など一生懸命やりとりする内に列車が来る。

 

 車両番号を調べてもらい無事自分の座席へ。同席は小さな子供2人の両親とその兄姉という席。お陰で2等寝台は会話こそ通じないが楽しい旅となった。VANARASI EXP.(2nd class 3tir sleeper 82Rs.)は、ゆっくりと走り出した。

 

 急行で小さな名も知れぬ駅に止まっては売り子が入ってきた。約24時間、列車はインドの大地を走り続ける。風景は雄大で、ずっと変わらぬようだ。ただ太陽が東から西へ、そして夕陽は限りなく美しいものである。

 

 少々遅れて午後7時前にベナレス到着。ガンガーのガ―ト近くまで行って宿を探すのも、この街は広く大変であろうと思い、とりあえず駅近くのホテルに入り、シャワーを浴び、オムレツ・トースト・コーヒーの夕食を取る。薄いネスカフェーがポットに4杯分くらい。かすかなコーヒーの香りが有り難い。

 

 明日はサルナートへ行って明るいうちに戻りガ―トとガンジス河の見える所に宿を取ろう。

 

 このホテルの主人があまりに熱心に計算機を欲しがるので75Rs.(約1,000円)で譲ってあげる。彼は初めの言い値から5Rs.しか譲歩しなかった。仕方ないので両替表を作成。