㉕一大事因縁(その五)

 1988年(昭和63)池上本門寺で外国の方を対象に仏教の道場が開催された。名付けて「LIVING BUDDHISM」

その時の企画は池上本門寺布教部の酒井章光上人。英語のスタッフは松井大英上人とハワイから池永英清上人であった。会社を辞めてインド訪問の後、30歳で随身修行に入り一年目。大本山で貴重な体験をさせて頂いた。この時に池永上人とのご縁で、随身生として取ることの出来る7日間の貴重な夏休みをハワイのホノルル妙法寺への訪問に決めていた。

 

 随身二年目の7月に師父が62歳で急逝し、長男の兄が住職として里の大雄寺を継承して8月のお盆の行事を一緒に勤めた。そしてハワイへの渡航はやむなくキャンセルしたのである。師父がまだ元気であったならハワイ訪問の後、日蓮宗の開教師としての道を歩み、日本国内の寺院(現在の島根県龍泉寺)の住職にはなっていなかったと思う。

 

 今年で龍泉寺へ入寺して32年が経過した。長男が池上本門寺の学僧修行後、日蓮宗教師となり国際布教師の研修をハワイで半年間受けていたが、コロナ禍で渡航が中断してしまった。そして目標を修法師に切り替え、令和4年度と令和6年度の日蓮宗大荒行堂再行を成満した。

 

 現在は一大事因縁の有難い仏縁を戴き、浜田の龍泉寺からホノルル妙法寺へ、日曜日に行われるサンデーサービスに合わせてご祈祷と法華経の法話、そして唱題行の布教に伺わせて頂いている。その目的は、ホノルル妙法寺の御宝前に掲げられている日蓮大聖人が定めた大曼荼羅御本尊「第一の本尊」の御前で、お参りに来られるメンバーの皆様と「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えることである。

 

2024年11月 サンデーサービスにてメンバーの皆さんと
2024年11月 サンデーサービスにてメンバーの皆さんと